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駆け出しゲームプランナーの日々を綴ります。

劇場版『仮面ライダーアギト PROJECT G4』を観た話。

 久しぶりの投稿になります。

前回から1年以上の時間が空いてしまいました。

さて、そんな久しぶりの投稿で扱うネタは映画です。

しかも大好きな「特撮モノ」。

タイトルにもある通り、今回取り上げるのは平成仮面ライダーの2作目にあたる、『仮面ライダーアギト』。その劇場版です。

現在、平成仮面ライダーは相当数存在し、作品ごとにライダーの特徴が違うので、映像表現の進歩とともに、扱うテーマや時代背景の違いも観ていて面白いものです。

今回のアギトは平成ライダーの中でも二作目と初期の作品にあたるので、映像や劇中の小物は現在に比べ粗があるのも事実です。

しかし、そこで「古いから観ない」という選択肢を持つのは大変もったいないことです。

併せて、「特撮なんて、子供の観るもの」といった固定概念もここでは取っ払っていただきたい。

今作は観ていれば、そんな考えは杞憂なものだと分かってきます。

 今作のストーリーは、警察組織の使用する、対未確認生命体の強化スーツ「G3システム」と、陸上自衛隊が開発した「G4システム」をめぐる攻防が展開します。

そこに超能力といったオカルト要素が混ざり、更に、平成ライダー初期の”いい意味でのリアリズム”、”無理のない物語展開(変に世界の破滅とかを含まない)”が加わることで、今作は単なるテレビ番組の延長ではなく、一つの映画作品として、「特撮」・「子供向け」・「ヒーロー番組」の壁を越え、映画という”エンターテイメント”として独立しています。

 では、今作の魅力の話に移りましょう。

今作のキモのG4システムは、装着者に大きな力を与える代わりに、生命を縮めるような負荷を与えるという、そういう設定が大好き人にはたまらない代物です。

しかも、単にG3システムとG4システムの攻防、というだけではなく、警察と自衛隊の組織間の代理戦争ともとらえることができます。

警察組織と軍事組織の対立構図は何とも燃えるものがあります。

近年の仮面ライダーでは実在する組織、特に軍事に至っては存在が皆無なのですが、私が考えるに、ある種、軍事組織の存在が物語の過剰な飛躍を抑える”セーフティ”にもなっているのでしょう。それが先に述べた”いい意味でのリアリズム”を構成する大事な要素になっているとも考えられます。

また、「特撮=子供の観るもの」というイメージも、今作の持つバタ臭い人間ドラマに、子供が観たらトラウマになるような場面、重厚な画面作りといった諸要素で一切気にならなくなります。

ここまでくると、むしろ大人向けでは?

仮面ライダーという永遠のヒーローが持つ力、それを並みの人間が扱うとどうなるか、それを互いに性質の違う戦闘兵器で表現しているのです。

そして、ただかっこいいだけに見えていたヒーローの背負う宿命の重さ、力を得る代償も見ようとすれば様々な場面で解釈として受け取ることができます。

今から10年以上も前のヒーロー映画ですが、当時子供だった大人が観ると受け取り方はきっと違うはず。

私自身、今回が2度目の鑑賞だったのですが、当時とは全く違う余韻がありました。

内容、人物やライダーの造形、戦闘シーンに至るまで現在でも引けを取らない作品でした。

古いから観ない、子供向けだから観ないは今回はナシで!

この映画は事件だッ!!

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