映画を2本観た話〜前編〜
映画を2本、友人達と観てきました。
1本目はスウェーデン映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』。
2本目は、いま邦画界を席巻している話題作
『カメラを止めるな!』。
上記の2本の感想を語りたいのですが、長くなるので前後編に分けて綴って行きます。
先ずは1本目『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の感想です。
◆製作 スウェーデン
◆監督 リューベン・オストルンド
これは「その四角形の中では、みんなが平等に助け合う義務がある」という現代美術をテーマに、思いやりや信頼といった、現代人には耳の痛い本質を問う内容になっています。
そして、この映画のタイトルになっている「スクエア」という四角形の現代美術は本編でも数える程度しか登場しません。
では、何故、スクエアというタイトルなのか。
これは画面を引いて観ると一目瞭然。
画面の中に散らばる四角、四角、四角。
パソコン、棚、机、携帯に至るまで現代は四角形で作られたもので沢山囲まれている。
それは何故か。機能的だからに他ならないから、であり、シンプルで無駄のないデザインだからだと思うんです。
これが曲面だったら?
パソコンは幅を取るし、机は配置しづらく、棚は物を置きにくいし、携帯は持ちにくい。
四角形はこれの全て逆を表します。
でも、角が取れて丸くなる、という言葉があるように、丸型の方が優しいイメージのような気もします。
この映画、観てるとわかるんですけど、そんな現代人と現代社会を皮肉った毒の強い映画でした。
四角に囲まれた世界で、スクリーンすらも四角形の中で映し出される主人公の受難。
そこで試されるのは冒頭で述べた思いやりや、人を信頼するという事。
果ては美術という文化すらも小馬鹿にする始末。
ポスターからは高尚なイメージすら感じるのに、本編は嫌〜な毒々しさに溢れています。
この嫌な空気も、ヨーロッパ映画の特色と言えば特色なのですが。
こんなどよーんとした視聴感のある今作ですが、一度見ただけでは少々理解しづらい部分がままあります。
その点は映画評論家の町山智浩さんが解説をしているので、そちらを参考にしてください。
http://cinefil.tokyo/_amp/_ct/17166116
テーマが重かったり、皮肉と毒の強い映画でしたが、内容は面白かったです。
さて、次回は『カメラを止めるな!』の話です。