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駆け出しゲームプランナーの日々を綴ります。

『東京トイボックス』が好きな話

前回の続きみたいなカタチです。
今回は漫画『東京トイボックス』の話題。
この漫画はゲームデザイナーの主人公・天川太陽が自らが社長を務めるスタジオG3という弱小ゲーム会社の仲間たちと、大手ゲーム会社ソリダスワークスとの闘いを描いた作品です。
私がこの作品と初めて出会ったのは高校の頃。本屋で続編の『大東京トイボックス』のタイトルに浸れ、感じるままに購入しました。事前情報は一切なし。タイトルの「大東京」と「トイボックス」という、東北の田舎町にすむ高校生には、ちと夢と希望に溢れた言葉が、私のアンテナにビビッときたのでしょう。
家に帰るなり、読むなり、ハマるなり。
なんだこれは?!こんな熱くて、そもの雪さえも溶かすほどの勢いの漫画がかつてあっただろうか、とばかりに打ち震えたのを覚えています。
まず、主人公の天川太陽。見た目は汚いし、ゲームのことしか考えてません。
トレードマークは赤いジャージ。
でも、その見た目とは裏腹に、己が掲げた信念のもと、不器用に愚直に邁進する姿は、何をしたいのか迷っていた高校時代の私に大きな影響を与えてくれした。
ゲームって、好きでいいんだ。これが一番大きかったでしょう。
ゲームといえば、様々な害悪が付きまとうだとか、教育上よろしくないだとか、散々言われていましたし、我が家もゲーム“なんて”と、親が私に言っていました。
当然、漫画の中でも、そういったゲームの与える悪影響を描いた場面は登場しますし、ゲーム業界を描いた漫画ということで、避けては通れない問題だったのだと思います。
でも、ゲームって、そんなに悪いことばかりでしょうか。
そういう人たちはゲームで遊んだことがあるんでしょうか。
野球をしてたら偉くて、人に褒めてもらうのが正義と一括りに言えますか。
そら、引きこもって迷惑をかけるのは良くないことですが、普通に生活していく上でゲームで遊ぶことは何にも悪くありませんよね。
長くなりましたが、当時の私は部活もやらずにバイトに明け暮れ、確かに周囲に比べればコンプレックスの塊で、でも、ゲームだけは大好きでした。誰になんと言われようとも。
そんな悩んでいた時の自分に、開き直る機会を与えてくれたのが、漫画『東京トイボックス』であり、漫画を描いてらっしゃった、うめ先生なのです。
いつか会って、お礼を言いたい、それが夢でした。この漫画は私のバイブルであり、人生の伴侶です。
太陽の名言「仕様を一部変更する」と「魂はあってる」は座右の銘です。
度重なる逆境の中を必死でもがく太陽に、何処か自分の姿を投影していた高校時代。それから数年。実際に作者に会えた私の気持ちは言葉には出来ませんでした。
ゼルダも、バイオもドラクエもFFも、killer7も何もかもが教科書で、一緒に友達や家族と遊んだ記憶は宝物なのです。
ゲームはそういう宝物を与えてくれる、一種のツールです。
この漫画はそういった、忘れかけていたもの、無くしていたもの、探していたもの、それらをオモチャ箱の中から探せるきっかけになるものだと考えています。
東京トイボックス』は全2巻。
大東京トイボックス』は全10巻。
番外編2巻を足したシリーズ全14巻です。
興味のある方は是非。きっと無駄にはならないと思います。
ゲームを作る裏側にも、素敵なドラマがあるんです!!
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